霜月11月 「宵の秋」
::::::::::::花と写真 井出 綾::::::::::::
晴れた日の秋の夕暮れはとても綺麗で、空を仰ぐことが増えるように思います。
そしてそんな時間は一瞬、日暮れがどんどん早くなりました。
夕方は忙しなくなりますが、その分長くなった夜の時間は、
どことなく気持ちもゆったりとして寛げますね。
音楽を聴いたり、本を読んだりも良いですし、
宵の口から一杯なんていうのも良いかもしれません。
秋ならではの日暮れから夜へと移りゆく時間と長い夜を満喫しましょう。
波紋のようなゆらぎが施されたガラスの片口に、
ユウゼンギク、薮サンザシ、野バラの実を生けました。
色付いて来た実物に菊の紫、秋色の反対色の組み合わせがガラスの器に映えて、
優しく和みのある花生けに。
冷酒のグラスと可愛い九谷焼の小皿におつまみ、
富士山の箸置きでユーモアも添え、シンプルな木膳に一緒に載せると、
秋の宵、長い夜を楽しめるしつらえが出来ました。
木膳は一人膳でも運び膳でもその時々で使い分けてみてください。
<ポイント>
片口の特徴を生かして、注ぎ口が少し見えるよう生けていきます。
薮サンザシを前、後ろ、横と茎を交差して生け、
野バラの実を加えて扇状になるようにベースを作りましょう。
ガラスの器では、綺麗に交差した茎も景色の一部になります。
ユウゼンギクを内側に挿し、
中央に薮サンザシを入れて高さを作って完成です。
●硝子片口 大
●こだわりの冷酒グラス 純米酒
●色絵華景色 隅切角皿小
●箸置 立ち富士 藍
●木膳 長角小
井出 綾
花手・プランツスタイリスト Bouquet de soleil主宰
フリースタイルのフラワーアレンジメント、ランドスケープデザインを学んだのち
フリーランスで活動。「自然と暮らしをつなぐ花」をコンセプトに、広告、雑誌、web媒体や
イベントなどでの花生け、スタイリングやワークショップ、レッスン、
また植栽プランニングなどを通して暮らしの花を提案している。
http://soleil-net.com/


