株式会社 私の部屋リビング

Philosophy

私たちの想い
この街の日々の暮らしを豊かな喜びで満たしたい
1972年3月、高度成長期の最中に雑誌「私の部屋」が創刊しました。 モノを増やせば豊かになると思われていた時代に、 その雑誌は「本当の豊かさは自分自身の中にある」というメッセージを発しました。 私の部屋、私の時間、私自身をもっと大切にしよう、と。 やがて、私たちは全国に店舗を拡げました。 「この街の日々の暮らしを、豊かな喜びで満たしたい」 それぞれのお店で、皆さまと過ごすひと時を私たちは大切にしたいと思います。
Message社長からのメッセージ

枕もとに父がいる。私が小学三年のころ。「素晴らしい商売のアイデアがある。儲からへんかったら、 君たちは学校行けなくなるかもしれんけど賛成してくれるか。」じっと聞いていた姉が答えた。「応援するから頑張ってね。」 私は何を言ったか憶えていない。けれど父は、「お前も賛成したぞ。二人が賛成したから始めたんだ。」と話していた。

ほどなく、雑誌「私の部屋」が創刊され、「ファミリーブティック私の部屋」1号店が日本海を望む街、新潟に生まれた。 父の予言どおり、儲からない日々が続き、何度も引越しした。やがて、スウェーデンの木製プレハブハウスを建てて住むことになった。 北欧のポップなデザインのカーテン、ブリキのシェード、ボーリング場のレーン材を再利用した家具、和風とも洋風ともつかない厚手の食器に囲まれた日々を送った。 外壁をピンクに塗り替えたりするので、よく友人が遊びに来た。「前川の家は変わっているぞ」と言われて、そうかと初めて気がついた。 不思議な家と不思議な雑貨の暮らしは楽しかった。「外は雪が積もっているのに、どうして家には炬燵がないのだろう。」と思ったが言わなかった。 父にとって自宅はお店のための実験室であり、実際に使ってみてお客様の目でチェックする場所だったのだろう。

そして長い月日が過ぎた。モノをどんどん作り、建物をどんどん作ることがゆたかさだった時代は過ぎ去った。 高級品を身につけることが豊かさだったバブルははじけた。経済が主役ではなく、心と文化が主役になる時代になった。 大きな災害が起きて、不安をかきたてる情報が飛び交う時代。人はもっと身近に日々の豊かさを求めるようになった。 背伸びをせずにありのままの自分を受け入れる暮らし、季節の移ろいを感じて楽しめる暮らし、人とのつながりにホッとできる暮らし。 これが私たちのお店の出発点であり、ゴールだったんだと思う。

私たちのお店「私の部屋」「キャトル・セゾン」は全国に拡がった。それは私たちの思いが詰まった部屋であり、お客様の思いを受けとめる部屋だと思う。 この場所でひと時を過ごすことで、一人ひとりの暮らしの中に小さな喜びを増やしていけたら。それがお店がある理由であり、私たちのやりがいだと思う。 「神々は細部に宿る」という言葉が好きだ。立派な思想や主義よりも小さな喜びの積み重ねが私たちの暮らしを豊かにする。 日々の暮らしを豊かにすることが、街と社会を変えていくと信じている。

この部屋にあるのは、私たちが集めた暮らしのかけら。あなたが来て、手に取ってくれたらくれたら嬉しい。 朝起きた時のかけら、ごはんのためのかけら、ゆっくりくつろぐためのかけら。あなたが気に入ったかけらを見つけてくれたら嬉しい。そしていつか、あなたの部屋があなたのかけらで眩しく輝きますように。