【まいにちと花】<br> 長月9月 「秋を呼び込む」
2025/09/01
COLUMN
【まいにちと花】
長月9月 「秋を呼び込む」
―日常使いの器に、季節の花を添えて―


::::::::::::花と写真 井出 綾::::::::::::



暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったものですが、
昨今の厳しい残暑に、いっそう秋の彼岸が待ち遠しい9月の始まりです。
朝晩のちょっと涼しい風や、日暮れが早くなったこと、虫の声などに、
ちゃんと秋は来るよと言い聞かせて過ごす時期でもありますね。

飽き飽きした暑さにうんざりしていても仕方がないし、夏の疲れをとる工夫をしましょう。
部屋の中にも秋を感じるアイテムを飾って、季節を呼び込んでみてください。


 

ポッタリと温もりある乳白色の手吹きガラスの花器に、
秋色のバラと秋色紫陽花、実った野葡萄を生けました。
可憐な花柄のジャガード織のランチョンマットに、木製のりんごのオブジェも添えて飾ります。

ニュアンスのある色合いで全体をまとめ、アクセントに実物を使うとおしゃれな仕上がりに。
シックな装いで、部屋の景色も気持ちも模様替えしてみましょう。
一気に秋の気配が漂ってきますよ。

 





<ポイント>
大きな玉の秋色紫陽花は、器の大きさに合わせて房を上手に切り分けて使います。
横長の花器の口を狭めるように片側に紫陽花を載せ、
野葡萄の蔓を反対側のやや斜め前から入れベースを作ります。
この時に茎がクロスするような方向に、2本をVの字で入れるのがポイントです。

中央にバラを3本、茎を交差させながらまとめて生け、短めの野葡萄をやや上から入れます。
弧を描くような流れのあるアレンジに仕上げましょう。



ハンドメイドベースレクタングル
ウッドグレインオブジェ アップルXS
●サンダルフール ランチョンマット




井出 綾

花手・プランツスタイリスト Bouquet de soleil主宰

フリースタイルのフラワーアレンジメント、ランドスケープデザインを学んだのち
フリーランスで活動。「自然と暮らしをつなぐ花」をコンセプトに、広告、雑誌、web媒体や
イベントなどでの花生け、スタイリングやワークショップ、レッスン、
また植栽プランニングなどを通して暮らしの花を提案している。

http://soleil-net.com/