神無月10月 「秋の野に」
::::::::::::花と写真 井出 綾::::::::::::
「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花」と詠まれている秋の七草。
春の七草は食すものですが、秋の七草は愛でるもの。
でも春と違って秋の七種は案外覚えていませんね。
萩、尾花、葛、撫子、女郎花、藤袴、桔梗の7種類。
聞くとふむふむと馴染みのある草花たちです。
それ以外にも道ばたや公園、花屋さんなどで、可愛い草花にたくさん出会える季節です。
そんな秋の彩りや恵みを暮らしの中で愛でて楽しんで下さい。
木の実柄の印判が施された飯碗と湯呑みに、
初秋の草花を少しずつ、いくつか合わせ生けました。
オミナエシの黄色、タデのピンク、ガマズミの赤、
どの色もこっくりと秋らしく深みがあります。
初秋らしさも感じるように、少し爽やかな緑の風船カズラも添えました。
粒々の花材と木の実柄が相まって、可愛い秋の景色に。
アカシアの木で出来た菱形のプレートに乗せて飾れば花色も映え、
秋らしさもよりアップします。
<ポイント>
まずプレートに器を並べ、バランスを見ながら花を生けます。
飯碗は低く、湯呑みは高めに、二つで一つを大切に。
少量の花を生ける時もしっかり茎を交差させましょう。
飯碗は低く口が広いので、重いガマズミ2枝をクロスして生け、
そこを花留めに、後ろ、前、高さの3方向を挿します。
タデも片側に寄せつつ、茎をクロスして生け、立体感を持たせましょう。
●釉彩印判木の実 飯碗 グリーン
●釉彩印判木の実 湯呑 ホワイト
●アカシア プレート ヒシガタL
井出 綾
花手・プランツスタイリスト Bouquet de soleil主宰
フリースタイルのフラワーアレンジメント、ランドスケープデザインを学んだのち
フリーランスで活動。「自然と暮らしをつなぐ花」をコンセプトに、広告、雑誌、web媒体や
イベントなどでの花生け、スタイリングやワークショップ、レッスン、
また植栽プランニングなどを通して暮らしの花を提案している。
http://soleil-net.com/