【まいにちと花】<br> 弥生3月 「三寒四温」
2024/03/01
COLUMN
【まいにちと花】
弥生3月 「三寒四温」
―日常使いの器に、季節の花を添えて―


::::::::::::花と写真 井出 綾::::::::::::



日が柔らかくなり、春の訪れを感じるようになる弥生3月です。
桜の便りも気になりだし、気持ちも体もふわふわと和んで来ます。
行きつ戻りつ、三寒四温を繰り返して少しずつ春になる時季で、春爛漫はもう少し先。
浮き立つ気持ちを少し落ち着かせてゆっくり過ごしたいですね。

春うらら、麗しい季節を楽しみに、
晩冬から早春の花木や草花で、移ろう季節を感じてみてください。




冬枯れの景色にひときわ艶やかな葉が美しい椿は、晩冬から早春の花木です。
凹凸のある釉薬模様が魅力のマグカップに、春の草花、マメ科のコロニラと生けました。
冬から春へ、和洋折衷な花合わせが、北欧デザインのような器にお似合いの懐かしい佇まいに。
するりと綺麗なバンブートレイに乗せ、冬からの餞別の木の実も添えてみました。
やって来る春本番をゆっくりと待ちましょう。







<ポイント>
艶やかな葉が美しい椿は、切り分けて葉の部分も上手に使います。
動きのあるコロニラも、先端と下の方の葉とを分けて有効に生けましょう。

椿の葉の部分と花の部分を、
マグカップの取っ手を見せるように3方から生けてベースを作ります。
茎の交差を花留めにして椿、コロニラを放射状に、乗せるように生けていきます。
コロニラの先端を遊ばせるように、取っ手の方は短めに生けるのがポイントです。



いちれんマグカップ 青
●バンブー ティートレイ





井出 綾

花手・プランツスタイリスト Bouquet de soleil主宰

フリースタイルのフラワーアレンジメント、ランドスケープデザインを学んだのち
フリーランスで活動。「自然と暮らしをつなぐ花」をコンセプトに、広告、雑誌、web媒体や
イベントなどでの花生け、スタイリングやワークショップ、レッスン、
また植栽プランニングなどを通して暮らしの花を提案している。

http://soleil-net.com/