【まいにちと花】<br> 睦月1月 「松明け」
2024/01/02
COLUMN
【まいにちと花】
睦月1月 「松明け」
―日常使いの器に、季節の花を添えて―


::::::::::::花と写真 井出 綾::::::::::::



新しい年のスタート、松の内が明けるとそろそろお正月気分も切り替えです。
仕事や学業、家事など色々「さあ、また今年も頑張ろう。」といつもの暮らしに戻ります。

1年の抱負や目標を持つことはとても良いことですが、それも“いつもの暮らし”があってこそ。
例えば、親しい人とたわいも無いお喋りをしながら、美味しいお茶の時間を持てるのも幸せなことですね。
いつもの何気ない時間が大切、そんな豊かな1年でありますように。




深く艶やかな緑の織部の浅鉢を花器に見立て、
冬の花シキミアと斑入りの岩ナンテンの葉を生けました。
緑の器とシックな赤のシキミアを明るい斑入りの葉が引き立て、
静かな冬の庭のような景色が完成。

暖かな質感の粉引の茶器で楽しむお茶の時間も、
少しの花があるとより豊かな時間になります。
お気に入りの道具と季節の花と、いつもの暮らしに彩りを添えて、
楽しい一年を送って行きましょう。







<ポイント>
シキミアは葉が上下に付いているものは分割し、
葉の部分と花の部分とを有効に使います。
水を張った器に小さい剣山を置き、
シキミアの花と葉を3方から斜めに針と針の間に挿します。
この時に真っ直ぐ立たないようにするのがコツです。
3本の茎の間を通して寝かせるように岩ナンテンを入れると完成。



クリース 浅鉢織部
粉引ポット
粉引湯呑





井出 綾

花手・プランツスタイリスト Bouquet de soleil主宰

フリースタイルのフラワーアレンジメント、ランドスケープデザインを学んだのち
フリーランスで活動。「自然と暮らしをつなぐ花」をコンセプトに、広告、雑誌、web媒体や
イベントなどでの花生け、スタイリングやワークショップ、レッスン、
また植栽プランニングなどを通して暮らしの花を提案している。

http://soleil-net.com/