【まいにちと花】<br> 霜月11月 「小春日和」
2020/11/02
COLUMN
【まいにちと花】
霜月11月 「小春日和」
―日常使いの器に、季節の花を添えて―


::::::::::::花と写真 井出 綾::::::::::::



朝晩の冷え込みも強くなり、

月の初めには立冬を迎え、晩秋から初冬へと向かう11月です。

秋の長雨も終わり、晴れの日が多くなるこの時期の

お天気の良い日を「小春日和」と言います。

ポワリした陽だまりが暖かく、本格的な冬の前の気持ちいい小春日には、

なんとも言えない多幸感がありますね。



街でも少しずつ木々や実が色づいてくる時季に、

秋化粧した花草木を生けて楽しんでみましょう。

部屋の中にほっこり、まあるい陽だまりを感じながら、

穏やかな晩秋の日をお過ごしください。




 




普段は小物入れなどに使う

蓋付きのバスケットを花器にしてみました。

こんな風に、暮らしの道具として使っているものを、

見立てで花入れにしてみるのも楽しいですよ。



木を薄く削った素材で編まれた洋風のバスケットに、

シオン、紅葉したドウダンツツジ、ニシキギに洋花のタンジーを加えると、

少し和っぽい草木も北欧風のカジュアルで

ナチュラルな装いに仕上がりますね。

暮らしに馴染み良い、見立ての器の花生け、

ぜひチャレンジしてみてください。

 





<ポイント>
カゴに少し小さめの落としを、左前側に寄せて入れます。
落としに生ける時もカゴ全体を見て、放射状に花を挿してください。
カゴの外側全体ではなく、前側にホロホロと溢れるように生けると、
可憐でカジュアルなイメージに。
また1箇所、カゴの枠を見せるように空きを作るのもポイントです。
少し種類、色をグルーピングして生けるとそれぞれの色も引き立ち、
宝石箱のような佇まいになります。



●スライスウッド バスケットボックス




井出 綾

花手・プランツスタイリスト Bouquet de soleil主宰


フリースタイルのフラワーアレンジメント、ランドスケープデザインを学んだのち

フリーランスで活動。「自然と暮らしをつなぐ花」をコンセプトに、広告、雑誌、web媒体や

イベントなどでの花生け、スタイリングやワークショップ、レッスン、

また植栽プランニングなどを通して暮らしの花を提案している。

http://soleil-net.com/