【まいにちと花】<br> 葉月8月 「暮らしに涼を」
2020/08/02
COLUMN
【まいにちと花】
葉月8月 「暮らしに涼を」
―日常使いの器に、季節の花を添えて―


::::::::::::花と写真 井出 綾::::::::::::



暦には秋が立つ8月ですが、

実際は夏の真っ盛り、暑い毎日が続きます。

「暑い、暑い」と言ってしまうのは仕方ないとして、

少しでも涼しい気持ちになれる工夫をしたいものですね。

団扇や風鈴、打ち水に夕涼みなど、

日本の暮らしには粋な涼の取り方がたくさんあります。

花も無理せず工夫して、緑を上手に楽しみましょう。



器などにちょっと和のテイストも取り入れて、

色味や形の違う緑を集めてさりげなく生けると、

涼風を感じるような佇まいになりますよ。

花の種類も少なくなり、持ちも悪くなる夏は、

葉もの、枝もの、実もので楽しむのもおすすめです。


 




お洒落な陶器のビアカップの金刷毛に合わせ、

黄金色のクレマチスシードを。

ブルーベリーやジュズサンゴなど

アクセントになる実ものも一緒に生けました。



線が綺麗な葉ものを遊ばせてから、

柾目が美しい日光杉のプレートに乗せると、

シンプルで少し和モダンも感じる設えに。

部屋の中に涼やかな風を届けてくれます。

 




<ポイント>
カップやグラスなど、丸い口の器に少量の花を生けるときは、
口全体に生けようとせず、三方から茎をクロスして生けます。
クロスしたところを花留めに、三角形を描くようなイメージで、
少し片側に寄せて生けましょう。
一方の側が空きますが、暮らしの道具、生活雑器なら、
その器の良さも見え、引き立て合うように素敵に仕上がります。
線状の葉ものは少し指でしごいてカーブをつけると
柔らかな曲線になるので、やってみてください。



●キーポ中空陶 タンブラー金刷毛
●杉プレート 長角




井出 綾

花手・プランツスタイリスト Bouquet de soleil主宰


フリースタイルのフラワーアレンジメント、ランドスケープデザインを学んだのち

フリーランスで活動。「自然と暮らしをつなぐ花」をコンセプトに、広告、雑誌、web媒体や

イベントなどでの花生け、スタイリングやワークショップ、レッスン、

また植栽プランニングなどを通して暮らしの花を提案している。

http://soleil-net.com/