―日常使いの器に、季節の花を添えて―


::::::::::::花と写真　井出 綾::::::::::::



6月の声を聞くと、爽やかな5月と打って変わり、

そろそろ入梅が気になり出します。

天気予報を見ながら、洗濯物はどうかしら？

傘は要るかしら？なんて心配も増え、

ちょっとマイナス思考になりがちです。

でも実は、植物が育つのにはなくてはならない季節の梅雨。

恵の雨を楽しめるようにしたいです。



私にとって、この時季の一番の楽しみは何と言っても紫陽花！

しっとりと露を纏った紫陽花は本当に綺麗です。

ひと枝、ふた枝、お気に入りの器に添えれば季節の彩りに。

静かな家時間をゆったりと過ごしてみてください。


 




紫陽花は品種が豊かで、様々な色、姿、形を楽しめる花の木です。

円錐形の柏葉紫陽花と、清楚な山紫陽花を浅目の器に乗せるように添えました。

清涼感あるクリスタルガラスのボール、浅黄色の釉薬が艶やかな美濃焼のお皿と、

ガラスに雨粒を、浅黄色に水を感じるような器選びを楽しんで、

それぞれ生けトレイに乗せて、ひとつのしつらえに。

柏葉紫陽花にはアクセントにコバノズイナを少し添えました。

この季節ならではのしとやかさに加え、

ちょっとした涼を取る工夫をしてみるのもおすすめです。

 






 

＜ポイント＞
紫陽花は花の部分と葉の部分に切り分けます。
今回は2枝ずつを切り分けて、
最初に葉の部分の茎を交差させながら、器に乗せるように生けます。
この際に、器2個の並びをある程度決めて生けるのがコツです。
紫陽花の花の部分を葉の上にそっと乗せるように生けましょう。
柏葉紫陽花は水についてしまう下の方の花を整理してください。
花を浮かすように生けるだけでも素敵ですよ。



●映(あき)フレアプレート緑
●ガラシアボウル16cm
●プレイスマットチーク27×20cm