
長月9月 「秋のニュアンスを取り込んで」
::::::::::::花と写真 井出 綾::::::::::::
9月はまだまだ残暑の頃で、
秋彼岸を迎えるまでは季節が行ったり来たり、行き合いの時季です。
夏の疲れも出る時、
また季節の変わり目は少し寂しくもあり、
心もとない時でもあります。
夏の名残を感じつつ秋らしいしつらえで、花を生けてみましょう。
心と暮らしを整えながら、新しい季節を健やかに過ごせるように、
上手に夏から秋へ向かいたいですね。
クラシックなアイアンパーツと
ガラスのカットが魅力のアンティーク調の花器に、
立ち枯れに近い秋色紫陽花と、
赤い実が愛らしいジュズサンゴを生けました。
口元にゴールドのラインが入ったクラシカルな小さな花器にも
ジュズサンゴとカレックスの葉を。
ブロンズの小鳥のオブジェも並べ、
シックなアンティーク調のしつらえにして、
夏の名残の花を初秋の装いに。
伝統的な柄の
インドのブロックプリントのクロスを合わせると
エキゾチックでよりシックな雰囲気になります。
<ポイント>
アジサイは下の方にある葉を生かせるように分割します。
葉の部分を先に生けて、
花の部分を乗せるように生けましょう。
この時に、花器のアイアンパーツが
見えるように配置するのもポイントです。
対角にもう一本のアジサイを入れてから、
ジュズサンゴの動きを生かして挿しましょう。
小さな花器は大きい花器とのバランスを見ながら、
実が溢れるようなイメージで
さりげなく生けると可憐さが引き立ちます。
●リム レースカップベース
●オルリム フラスコベース
●オリエンテイルバード ダウン
●ブロックプリントマルチ ホワイト

井出 綾
花手・プランツスタイリスト Bouquet de soleil主宰
フリースタイルのフラワーアレンジメント、ランドスケープデザインを学んだのち
フリーランスで活動。「自然と暮らしをつなぐ花」をコンセプトに、広告、雑誌、web媒体や
イベントなどでの花生け、スタイリングやワークショップ、レッスン、
また植栽プランニングなどを通して暮らしの花を提案している。
http://soleil-net.com/